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BIOHAZARD/S・E・T
『バイオロイド零年(ゼロネン)』
製作発表記者会見

BIOHAZARD/S・E・Tの詳しい内容はココをクリック
この夏、バイオの世界が舞台化されます。
三宅裕司氏率いる劇団スーパー・エキセントリック・シアター(以降SETと表記)がミュージカル・アクション・コメディーにホラー要素を取り入れたオリジナル脚本を作成。2000年7月12日の東京を皮切りに全国8都市で公演を行います。
内容はBIOHAZARD2で活躍したレオン、クレアたちが中心となりそうですが、この舞台の製作発表記者会見が2000年3月31日、幕張のホテルで行われました。

(注意)
尚、発表会で発表された内容が変更され、実際の舞台公演の内容と異なる可能性もあります。
また、このページに書かれている写真・記事内容を無断で複製・転載・加工等を一切禁止します。

|||||||全16ステージ、1ヵ月間におよぶ大掛かりな公演

詳しい公演場所に関する情報はこちら(S・E・T/対策室)を参照してください。

SETは創立して今年で21年目を迎えますが、広島が3年ぶり、福岡が13年ぶり、北海道では初めての公演となっていて、劇団の意気込みが伺われます。

|||||||新人オーディショングランプリは大阪の高校1年生

この公演を記念して、SETでは昨年から今年始めにかけて新人オーディションを行いました。

全国から2400人近い応募があり、見事グランプリを勝ち取ったのは大阪在住の15歳、大嶺麻衣(おおねまい)さん。

舞台のベースとなっているBIOHAZARD2は友人の家でプレイしたそうです。「鍵をたくさん集めなくてはならなかったり像が動いたりしてちょっと難しい。そして恐い。」とゲームの感想を話していました。大阪在住ということもあり、すでにカプコン本社へも訪問したようです。「カプコンさんの本社で新しいゲームの秘密を見ましたか?」という質問には「資料を見てしまったんですが英語で良くわかりませんでした。」とコメント。

舞台中で使われる「バイオロイド零年のテーマ」の歌も披露される予定でしたが、まだ歌詞が完成していないということで前奏と振付だけの公開となりました。こちらは本番をお楽しみに。

|||||||<絵描きNの手記>ゾンビ現る!そして…
■注意書き■
※この部分は行われたアトラクションをもとに書き起こしたものです。舞台脚本とは一切関係ありませんのでご了承下さい。(^^;)

……そのとき、どこからともなく呻き声とも唸り声ともつかない声が聞こえてきた。

最初小さな声だったそれは、増えているのか徐々に大きくなる。
「…何か変じゃない?」
麻衣は不安そうだ。

暗闇から次々と姿を現してくるのは、そう、紛れもなくゾンビたちだ。血だらけの服、ただれた皮膚…9年前に起こったというラクーンシティの惨劇そのままの光景がここにある。おそらく幕張周辺で何者かがウイルスをばらまいたに違いない。


彼等は生身の人間を好んで食べようとする習性があることはご存知のとおりだが、やがて舞台の上にいる麻衣を見つけ、ゆらゆらと集まってきた。
「い…いやあっお願い、来ないで!」
つい数時間前まで人間だったかもしれない彼等も、今となっては生き血を求めるモンスターと化している。麻衣の必死の叫びも空しく響くだけ。ゾンビたちの手が麻衣の方へ伸びていく。その服に手がかかろうとしたその瞬間。
「待てえっ!」

「そ・・・その声は!」
暗闇から飛び出してきたのは2人の男女だった。
一人はブルーの制服に身を包んだ逞しい若者だ。胸にはR.P.D.の文字、肩にはラクーン市警のエンブレム、そしてその手にはデザートイーグルが光っている。間違いない、レオンだ。
そしてもう一人は少々軽装ではあるが隙のないしなやかな身のこなし。無造作に束ねた髪がさらさらと肩にかかる。彼女はレオンと共にラクーンシティから脱出をはかり、シェリーを救出したという女戦士、クレアらしい。

彼らは麻衣に襲いかかろうとしたゾンビたちを払いのけた。
「麻衣ちゃんに指一本触れることは、この俺たちが許さない!!」
「麻衣ちゃん、もう大丈夫だからね。」
クレアがやさしく微笑む。
「よぉし、ゾンビたち、覚悟はいいかあぁっ」
レオンのデザートイーグルがゾンビに冷たく向けられた。新米警官だったころの正義感は今になっても変わらない。弱いものを守ろうとする使命感がより強くなっていると思われるのはエイダの一件からだろうか。

と、そのとき。
ひょこひょこと一人の男が現れた。SETの劇団員、水木である。
通りかかっただけらしいがこんなところでゾンビに出くわすとは、少し間が悪い。ただゾンビの群れに臆する様子は全くない。
水木はゾンビを撃とうとしているレオンたちに、声をかける。

「おい、お前ら2人とも!記者の皆さんがいらっしゃるというのに銃を撃って当たったらどうするんだ。」
「…それもそうね」

クレアは素直に納得したようだ。あまりにあっさりとした返事で水木は拍子抜けである。レオンは黙ったままだ。
水木はさらに続ける。

「戦うんだったら正々堂々と素手で戦いなさい!」

"正々堂々"という言葉に反応したのか、レオンもようやく銃を下ろした。

「よし、わかった」

クレアも素手で戦う事に決めたようだ。ゾンビ相手に身構える。


「どこからでもかかってきなさい!」

レオン、クレアが次々とゾンビを倒していく。通りすがりだったはずの水木もこれに加わった。根っからの戦士ではないがかなりの健闘である。

3人のおかげで、ほどなくゾンビは退散していった。

「麻衣ちゃん、大丈夫か?」
麻衣を気遣うレオン。幸い怪我はないようだ。
「これで無事に記者会見を続けられるな!」
水木も満足げ。
「じゃ、わたしたちはこれで!」
去ろうとするクレア達。ただ、麻衣を一人で置いてはおけない。
「まだゾンビたちがいるかもしれないし、麻衣ちゃんを無事に控え室まで連れていってあげよう。この周りのパトロールもしなくては!」
「OK!」
レオンが頷く。
クレアが麻衣の肩を抱き、連れて行く。レオンは周囲を警戒しながら奥へと消えていった。


幕張でのゾンビ出現事件はレオン、クレア、水木ら3人の活躍で事無きを得た。
しかし謎は多い。
水木とは何者か?レオン、クレアは何をしているのか?これは夏の舞台公演で明らかにされるだろう。

|||||||バイオの世界観はそのままに究極のエンターテイメントに挑戦
舞台化にあたってBIOHAZARDの生みの親である三上真司プロデューサー、SETの三宅裕司氏を始めとする関係者を含めた記者会見が行われました。 (以下敬称略)
笑いの中に「生きる」というテーマが感じられる脚本です
--今回、脚本の第一稿が完成したということですがその感想は?
三宅:
予定よりもだいぶ遅れてできあがりました(笑)。
ゲームソフトというのはストーリーがちゃんとあり、その奥に隠されたテーマがあるのですが割とそれは前に出てこないんですよね。どちらかというと「どうクリアしていくか」ということが前面に出てしまうので。

そう言う意味では第一稿を見て、「バイオハザードというゲームにこういうテーマがあったらすごくいいな」、という原稿ができています。

ストーリーとしては、自分達の欲望のための実験の犠牲になってできてしまったゾンビたちを通して現代社会に警鐘を与えるというか、人間の一番大事なものはもっと他にあるんじゃないか、というようなテーマですね。
そして笑いも入っている、歌とダンスもありのミュージカル・アクション・コメディーというところです。
SET独自で考えたテーマでありながら、ひょっとすると三上さんのところでもゲームソフトの中に込められたテーマなんじゃないかな、と思える第一稿でした。
三上さん、いかがですか。
三上:
実はバイオ1を作ったときに、今三宅さんがおっしゃったようなテーマをユーザーさんに感じていただきたかったのです。
バイオのメインテーマは「恐怖」で、さらにサブテーマが存在はしているんです。
しかしなにしろ非常にいつも厳しいスケジュールの中でやってまして、皆さんにお伝えするべきところを全部カットしてしまっているところがあります。

恐怖と笑い、というところでちょっと切り口が変わってくると思いますが三宅さんが意図していることが伝わればすごく嬉しいことだと思います。
三宅:
ということは舞台化をSETに任せてよかった、ということですよね(笑)。
三上:
そうですね。非常に楽しみです。

--ちなみに三上さんは第一稿をすでに読まれましたか?
三上:
まだなんですよ。見せてもらってないんです。「一太郎で作ったんですけど見てもらえませんか」と言われたのですがうちの環境に一太郎がなくて」(笑)

見られてしまいました
--大嶺麻衣さんと三上さんはお会いになったそうですね。
三上:
ええ、会いました。先日うちの開発のほうを案内しました。実はさっき、何を言われるか、後ろでびくびくしてました。ほとんど隠すことなく、大事なところも見せてしまったので。ほとんど丸見え状態でしたね。

--ということは開発の奥の「ここへ誰も入ってはいけない」というところまで行けたのですか?
三上:
そうですね…。
三宅:
それをしゃべると麻衣ちゃんの身に危険が及ぶのでは?(笑)どこまで知っているのか、とかね。

--初めて三上さんに会ったときの印象は?
大嶺:
なかなかの男前の人がよく取り仕切っているなあって思いました(笑)。ごめんなさい、こんな…。
三上:
今度伝授してあげましょう、取り仕切り方。(笑)

二次元のゲームを三次元の舞台で表現するための演出効果とは
--メガヒットになって世界中で売れている作品を舞台化するということで、今までの範疇を超えたところにチャレンジすることは?
八木橋:
今回の特徴は非常にゲームユーザーが多い、ということですよね。
ゲームというのは二次元の世界です。舞台は三次元ですのでそこに対する違和感がなるべくないよう我々の舞台を見ていただきたい、と思いまして舞台上に映像をどのように取り入れていくか、ということで検討を進めています。
現在予定しているのはできれば実写の映像を流しながら舞台との融合をはかってみたい、という思いがあります。ただ、単純に映像を流すだけではなく、いかに三次元の中の映像というものが模索できるのかな、というところが鍵ですね。プロジェクターもいろんな新しい形のものが出ていますので、そういうものを取り入れたいというのが僕の希望です。

--キャストも気になるところなのですが、キャスティングは?
八木橋:
さきほどからお話が出ていますが、脚本の大沢先生から第一稿を頂くのが遅かったものですから、現状予定で確実なキャスティングは発表できないのです。

さきほどアクションとダンスをやらせていただきましたが、その中で出てきましたレオンとクレア役の宮内大(みやうちゆたか)、そして長谷川紀子(はせがわのりこ)、そして本名で登場しました水木英昭(みずきひであき)。
現状で発表できるのはこの3人が今回の「バイオロイド零年」の主要人物として活躍してくれる事はお約束できる、ということです。

三宅裕司さんのゾンビ姿は見られるか
--三宅さんがゾンビとして出演することはある?
八木橋:
その予定はありません。実をいうと今回、三宅さんと小倉久寛は出演する予定がございません。これは私のほうの演出意図なんですが、劇団創立21年を迎えて、「ミュージカル・アクション・コメディー」を担っていく次世代の劇団員で構成したいと思います。
全員が歌って踊ってアクションができる、そしてコメディーもできるメンバーだけで構成する予定です。ですから…
三宅:
(笑)それ、(僕が)できないってことかなぁ。
八木橋:
いえ、そういうことではないんですが(^^:)ただ、私の希望より若干、ギャップが…座長のアクションが…
三宅:
ああー(笑)…スピード的にね…
八木橋:
いえ、スピードも技術も、……全て…ですね…
三宅:
そういえば、この前リアクションで首おかしくしたことがあるしね(笑)。
八木橋:
ええ、そういうこともございますので。
オグちゃん(小倉久寛)にも出ていただきたいのですが、三宅さんは総合プロデューサーですし、全国8都市での公演というのはSETでも初めてのことなんです。ですからプロデューサーに徹して頂いて、宣伝などのバックアップをしていただきたいと思います。

舞台ではゾンビがストーリーの中心に
--「バイオロイド零年」のタイトルには具体的にどういう意味?
八木橋:
「バイオロイド」は「バイオハザード」と、そのバイオハザードによって作られた人造人間、「アンドロイド」が合体した名前です。
バイオハザードというゲームの舞台化なのですが、ゲームはゾンビを撃ち倒していくという内容ですよね。舞台化に関してはゾンビのほうをストーリーの中心に持っていこうと考えています。そちらのほうがイメージとして沸くような名前、ということで「バイオロイド」としました。
零年(ゼロネン)、というのは2000年ということですね。ここから始まる、ということで「バイオロイド零年」としています。

カプコン様とアドスタジオ401様の計らいで会見を取材させて頂く事が出来ました。
本当にありがとうございましたヽ( ´ー`)丿
文・写真/三河ねこ 編集・構成/Ken+(荒木)
(c)CAPCOM / S・E・T. AD STUDIO401